賛歌
コスプレというものがあるが、その要領で、詩人になりきって詩を書いてみた。シュークリームを買った俺はえらいという詩である。
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家は買えないが、おれはシユウクリームを買う。
家は味気ないが、シユウクリームはうまい。
シユウクリームは冷やすとさらにうまくなるが、冷やした家はただ薄ら寒いだけだ。風邪を引くゾ。
家は焼けて灰になつてしまつたりするが、こんがりキツネ色に焼けたシユウクリームはますますいい感じだ。
シユウクリームは雲のやうにふんわりしてゐるが、家は硬い。そのくせ「堅牢」だとか云つて威張りくさつてゐる。権威主義だ!
だいいち、ここが肝心なところだ、家は買えても家庭は買えないが、シユウクリイムをひとくち齧つてみろ。ほうら、しあわせな気持ちがするだらう。
勝負あり!女神の祝福はシユウクリームの頭上に!
家は買えないが、きのうオレはシユウクリームを買つたのだ。断然おれは偉い。