人生に当たり前はない、と奈良の方から仙台銘菓をお土産にいただいて悟る(Oさん、ありがとうございました。「萩の月」最高です)。
新入社員のみなさん、おはようございます。 もし職場で、いつも高圧的な態度で接してくる上司や先輩から「カラスは白い」と言われたらどうしますか? 「わたしもそう思います。カラスは白いです」と答えて相手におもねるのか、はたまた「いえ、カラスは黒い…
何度聴いても、やっぱり小せん師匠の「御神酒徳利」は気持ちがいい。御礼に貰った小判をぜんぶ女中にあげちゃう心優しい善六さん。大坂から江戸に帰る言い立ても、なんて心地よいのだろう。 きょうは先代小さん師匠の命日だったそうで、小せん師匠「御神酒徳…
ふくらはぎ、足の裏、太腿…… 慢性的立ち疲れなので、しょっちゅう脚がつっている。湿布を貼れば一時的によくなるとはいえ、あの10センチ×14センチという限られた大きさの湿布をどこに貼るべきか、まいど頭を悩ます。というのも、痛いのは脚の全体なのだ。貼…
もうどうしてくれるんだというくらい忙しいとき、よく「〇〇の手も借りたい」などと言ったりする。 「ネコの手も借りたい」。なるほど気持ちは伝わる。こっちがバタバタと忙しいとき、縁側でのんきにひなたぼっこなどしているネコの姿を見かけたら、いっちょ…
世界でたったひとつのコーヒを淹れています。いま、あなたの目の前にあるコーヒーは、世界にふたつとない特別なコーヒーです。後にも先にも、同じ一杯を淹れるということはできないので、これは、まあ、わざわざ言うまでもない当たり前の話にはちがいないの…
ふと目をやると、男の子がひとりドアのガラスに張り付いて手を振っていた。5歳くらいだろうか。手を振りかえすと、男の子はニカッと満足そうに笑って立ち去った。親や兄弟らしき姿は見あたらない。しばらくして視線を感じてドアを見ると、またあの男の子が…
かつて新宿に「青蛾」という伝説の喫茶店があったことは聞き知っていたのだが、ぼくが中学生のときに閉店しているので当時のことについては実は何も知らない。その後「青蛾」は東中野に移転しギャラリーとして存続してきたが、いつだったか調べ物で訪れた新…
巷では運賃が100万円近くもするような超豪華列車が話題だが、その一方で<ブルートレイン>の愛称で知られた寝台特急が廃止されたまま復活の兆しが見えないのは返す返すも残念なことである。 ぼくが子供のころ、<ブルトレ>(注 ブルートレインの略)に乗る…
GWもいよいよ終盤。目の下のクマもいよいよ順調に育っている頃かと思いきや、路上でレッドブルの試供品を配っているお姉さんからガン無視されたので、自分が感じているほどにはまだ疲労が十分顔に現れていない模様。というわけで、きょうもはりきって労働に…
定休日。浅草の銀座ブラジルに行った。…… ここはどこ?わたしはだれ?
「麗子像」でおなじみ岸田劉生の娘麗子が経営する喫茶店が、戦前、昭和9年ごろ東中野にあったそうだ。店の名前は「ラウラ」といった。麗子本人がカウンターに立ち接客していたが、雑誌などで取り上げられ物好きの客が新宿あたりから詰めかけるようになると…
これはおそらく、常日頃から誰もが考えていることだと思うのだ。日々こんなにも世界は進歩しているというのに、どうしてティッシュの最初の一枚ばかりはいつまでたっても何枚もくっついて出てきてしまうのさ。
新入社員のみなさん、ごきげんよう。そろそろ職場の雰囲気にも慣れてきた頃ではないでしょうか? 会社というところはふしぎな場所です。初対面の相手にむかって「いつもお世話になっております」などと大嘘をついたところで、「貴様!嘘を吐くなッ!」といき…
まったく<刷り込み>というのは恐ろしい。 たとえばオーダーが立て込むなどして取っ散らかっているとき、脳内で自動的に再生される音楽がある。それは、昭和に育ったよい子なら誰でも知っているあの曲だ。そう、毎週土曜日の夜放送されていたドリフターズの…
いよいよGWですね。画像は、中国で出土した「晋」の時代のものと思われる<鯉のぼりの化石>です。ウソです。 遅くなりましたが、GWの営業予定のご案内です。 火曜日および3日(祝)お休みを頂戴致しますが、その他は通常通り11時30分(土日祝12時)〜19時…
<出かけたいのに、ドアの外に住人がいる。>…… <見知らぬ人と、エレベーターで2人きり。>…… <ナマケモノだと思われたくなくて、具合が悪くても出社。>…… カロリーナ・コルホネンの『マッティは今日も憂鬱 フィンランド人の不思議』(方丈社)には、典…
体調がよくなかったので、予定を変更して『19世紀パリ時間旅行〜失われた街を求めて』と題された展覧会を練馬区立美術館でみる。 とはいえパリ、ことさら19世紀のパリについては不案内ゆえ、まずはフランス通のオーナーがやっている地元のカフェに立ち寄って…
ペディグリーチャム殺人事件。朝、目がさめてぼんやりしていたら唐突にそんなコトバが思い浮かんだのだ。いきなり何が言いたいのだ? まったく、脳ってこわい。ぼくにとって、脳は真っ暗闇で、そのなかを無数のコトバが蠢いているイメージ。彼らは、指令がき…
帰り際、にっこり笑って「1年ぶりくらいに来ました! 美味しかったです!」と声をかけてくださった若い女性のお客様。「あげていい?」「いいよ」という会話の後、「どうぞ!」と言って持っていたアメを手渡してくれた小2男子。 もうやめてやるーーー と叫…
朝、パン屋の前を通る。パン屋はまだ閉まっている。その開店前のパン屋から、いままさにパンを焼いているなんともいえずいい匂いが漂ってくる。パンが食べたい、パンが食べたい、いますぐパンが食べたい……。かつて、フランスのさる高貴な婦人はこう言ったそ…
カワイイ(「cawaii」)というタイトルのティーン向けのファッション誌、昔なかったっけ? それはそうと、先日来店したたぶん4歳くらいの女の子が、店に置いてあるノルウェーの絵本『キュッパのおんがくかい』を眺めながらしきりに「見た目はカワイイけど、…
フランス・ギャルに「ジャズる心」というタイトルの曲があることは、わりかし多くのひとが知っていそうだ。<ドキドキする>とか<ワクワクする>、あるいは<ザワザワする>とか、きっとそんなニュアンスだろう。原題は「Le Cœur Qui Jazze」。「Jazzer」と…
厳格な清掃員がやってきて言う。「ゴマと梅干しの種、ちゃんと分別してくださいね」ーーー 夢。
小学生のまだ低学年くらいだった頃、親に連れられて入ったソバ屋でテレビを観ていたとき、いまアメリカで話題のバンドみたいな内容でロックバンドの「キッス」が紹介されていて、その白塗りメイクのおどろおどろしさに衝撃をうけソバを口から半分出したまま…
Silly Symphony Flowers And Trees 荒れ模様の朝。窓から眺めると、みどり色のグローブのように枝の先に葉をつけた木々がわっさわさと揺れていて、まるクネクネと踊っているようにみえるーー ああ、あれだ、「シリー・シンフォニー」というディズニーの初期…
駅でホームの階段を駆け下りようとしてギョッとした。巨大な彌生ちゃんと目があったからだ。正体は、正面に貼られた開催中の展覧会の巨大ポスター。ここで大事なのは、ぼくが<草間彌生を知っている>にもかかわらず驚いたことである。たとえば幼児とか外国…
コスプレというものがあるが、その要領で、詩人になりきって詩を書いてみた。シュークリームを買った俺はえらいという詩である。 ーーーーー 家は買えないが、おれはシユウクリームを買う。 家は味気ないが、シユウクリームはうまい。 シユウクリームは冷や…
このあいだの雨の日、フィンランドで研鑽を積んだ声楽家駒ヶ嶺ゆかりさんのミニコンサートを聴いてきた。「野の羊」という曲がよかった。大木惇夫の詩だ。男がひとり草原にやって来てつぶやく。「野っぱらはいいな。いつ来てみてもいいな。」気づけば、遠く…
恩地孝四郎の「円波」。中国で出会った、池の桟橋で洗濯をする少女の姿を木版画にしている。戦後は丸や四角を思いきって配したような抽象的な作風に変化してゆくが、これが制作された昭和14(1939)年はちょうどその過渡期にあたる。乱暴に、画面下から上へ…