27.07.2018
キャロットケーキを2台、イベントのために焼く。むかし、ストックホルムのソーデルマルム地区にあるこじんまりとしたカフェで食べた味を、お菓子作りの得意なスタッフにお願いし試行錯誤の末、再現してもらったレシピである。
スパイスがガツンとくる、ひとことで言えば「やんちゃ」な味。ニンジンをたっぷり使い、くるみやレーズンは一切使わないという野生的なレシピながら、ニンジンの臭みや食べにくさはふしぎと感じられない。じっさい、この味を気に入ってくださるお客様も少なからずいて、ここ数年はいろいろあってメニューから消えていたのだが、それでもいまだにそのキャロットケーキめあてにご来店くださる方もちらほらいらっしゃるほどなのである。
それがどういうわけか、その「やんちゃ」な味をぼくが受け継ぐことになった。まあ、元々の言い出しっぺはぼくなのだから当然といえば当然ではあるのだが。受け継ぐにあたり見た目はすこし変えてみたが、味はほぼそのまま変えていない。作っていると、以前よく召し上がってくださったあの顔やこの顔が思い浮かぶ。