moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

09.07.2018

 いきなりゴゴーンと朝から雷が鳴ったのには驚いた。いつもより早く支度が整ったのでのんびりしていたのだが、ビショ濡れになってはたまらないとバッグを鷲掴みにしてあわてて家を出た。たいして降られることもなく無事たどり着いたのはいいが、吉祥寺はまったく何事もなかったかのように晴れている。しかも30分も早く着いてしまいスーパーも開いていないので、やむなく駅でコーヒーを飲みつつ時間を潰す。雨には濡れずにすんだが、なんとなく損をしたような心持ち。

 開店前に、街あるき系ウェブマガジンの取材。公開は今月の下旬くらいとのこと。他に、以前受けた雑誌取材の原稿をあらためて確認して戻す。単行本に転載することになったのだそうだ。

  きょうは、お客様はほぼ常連さんばかり。そして、数少ないフリのお客様はほとんど外国のひとばかり。日本人はどこに消えてしまったのか? 体感的には、つまり店のカウンターからの観察にもとづく印象では、日本の人口はざっと三百人くらいか。

 北海道に行ってきたというタザワさんが、木の質感を生かした「旭川駅」の素晴らしさについてあまりに力説するので調べたところ、なるほど、内藤廣の設計だった。東京駅にかぎらず、かつては上野にせよ新宿にせよ駅はその街の玄関口としての特徴的な顔立ちをしていたが、いまや東京の主要な駅はどこも「電車も停まるテナントビル」みたいなことになってしまった。駅に行って旅情をかき立てられるなどということはほとんどないし、そもそも思わず写真を撮りたくなるような「顔」をしていない。その意味で、たしかにタザワさんの言うとおり、旭川駅はいかにも駅らしい駅であると思った。

 それはそうと、いくつか写真で見せてもらった北海道の風景は、まるでフィンランドのそれのようで心洗われた。どこでもいいから、とりあえずは白樺がニョキニョキ生えているところに行きたい。それがダメなら、せめて井の頭公園の木々をぜんぶ、だれか白いペンキで塗ってはもらえないだろうか。