moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

ゴブラン

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体調がよくなかったので、予定を変更して『19世紀パリ時間旅行〜失われた街を求めて』と題された展覧会を練馬区立美術館でみる。

とはいえパリ、ことさら19世紀のパリについては不案内ゆえ、まずはフランス通のオーナーがやっている地元のカフェに立ち寄ってから行くことにする。その店へは高校のころ、ということはつまり大昔にときどき行っていたのだが、その後アンティークショップになり、また最近になってカフェが再開されたのを機にちょくちょく行くようになった。ちょっと話題をふると、かつてパリで<遊んでいた>頃の思い出をまじえつつ、カウンターにグラスを並べるように次から次へとさまざまなエピソードを取り出しては聞かせてくれるのがうれしい。サヴィニャックのコレクターとしても著名なオーナーは、羨ましいことにパリの、かつて「ゴブラン織り」で栄えたあたりにちいさなアパルトマンを所有しているという。

美術館でいまから120年くらい昔のパリの景観を描いた銅版画を観ていたら、オーギュスト・ルペールという作家のその名も「ゴブラン界隈」という作品をみつけた。3人の男女が工場らしき建物の屋上でなにやら作業している。背景には、細長い煙突が幾本か煙を吐いているのが見える。パリというよりは戦前の東京の下町、本所あたりの景色のようでもある。しかしなにより、話を聞いていったおかげでそれまで縁も所縁もなかったゴブランという街がちょっと親しみのある場所に感じられたのが愉快だった。ゴブランの絵がありましたよ --- こんどオーナーに教えてあげよう。--- オチはないです。

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