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moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

「ジャズる」と「ロックンロール」

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フランス・ギャルに「ジャズる心」というタイトルの曲があることは、わりかし多くのひとが知っていそうだ。<ドキドキする>とか<ワクワクする>、あるいは<ザワザワする>とか、きっとそんなニュアンスだろう。原題は「Le Cœur Qui Jazze」。「Jazzer」という動詞が使われているので、なるほど「ジャズる」というのは素直な訳なのだなとわかる。英語にも当然「ジャズる」に対応する動詞はあるはずだ。

日本では、浅草「電気館レビュー」昭和4(1929)年の演目に「サロメはジャズる」という作品をみつけることができる。内容は、あの『サロメ』を大胆に翻案したオスカー・ワイルドもびっくりのドタバタ喜劇であったらしい。観てみたい。いずれにせよ、1920年代にジャズが流行るとともに「ジャズる」といった表現も世界中で同時多発的に、パンデミックと言っていいような勢いで蔓延していったと考えてよさそうだ。

それに対して「ロック」はどうだろう。クイーンの有名な「We Will Rock You」の「Rock」の部分は、「オマエのハートを打ち震わせるぜ」みたいに訳されているのを見たことがあるが「ジャズる」みたいな意味なのだろうか?

日本語では、だが、「ロックする」というような使い方はあまり見かけない。なんとなく語呂が悪く落ち着かないし、だいたい「ロックする」では「え、なに? 鍵かけんの?」と勘違いされそうだ。

そこで思い出されるのは、なにかにつけて「ロックンロール!」と口にする内田裕也である。ただ名詞を連呼しているだけにもかかわらず、彼の口から発せられると「叛逆」とか「反骨」といったニュアンスが伝わってくるような気になってしまうのがなんとも不思議だが、じつのところなんの内容も伴われていない。ことあるごとに「グルコサミン!」と叫ぶのとあまり変わらない。すべては内田裕也の<オーラ>のなせるわざであって、「ジャズる」といった用法とはまったく無関係だ。

ふと思い立って、ぼくの大好きなYahoo!知恵袋をのぞいてみたらやっぱりありましたよ、「内田裕也さんがよく言う『ロックンロール』とはどういう意味ですか?」というトピックが。ちゃんと回答もついていてそこにはこう書かれていた。「柳沢慎吾さんの『あばよ』みたいな例えだと思います。」本当かよ。