moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

03.09.2018-07.09.2018

◎03.09.2018

 めずらしいものをいただく。

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 ひとつは「ノルウェーの粉を使ったシナモンロール」で、谷中にある「VANER(ヴァーネル)」というパン屋さんのものだそう。生地をよって、丸めたようなその独特のかたちはスウェーデンシナモンロールに似ている。フィンランドシナモンロールとおなじくカルダモンの風味が効いているが、これは北欧のシナモンロールに共通する特徴。そして、肝心の生地はというと全粒粉だろうか、噛んだときの小麦の「つぶつぶ感」がおいしい。マヤさん、ごちそうさまでした。それにしても、「ノルウェーシナモンロール」まで手に入る東京、すごい!! 「フィンランドのカフェ」もあるしね。

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 そしてもうひとつ、こちらはサユリさんよりいただいたベラルーシのチョコレート。毎度立ち止まって、え〜と、なんだったっけ!? とかんがえないことには「ベラルーシ」という単語が出てこない。それくらいなじみの薄い国。そういえば、たしか女優の岸恵子のエッセイに『ベラルーシの林檎』と題されたものがあった気がする。その程度に知識しかないので、もちろん場所などよくわからない。ざっくりウクライナとかグルジアとか、だいたいそのあたりな気がする。

 さて、いただいたチョコレートだが、まず最初に目に飛び込んでくるのは包装紙に描かれたクマの姿。いかにも70年代のソビエト風とでも言うか、チェブラーシカユーリ・ノルシュテインのアニメを彷彿とさせる独特の愛らしさ。さらに、なにやらチョコレートの表面のデザインにものすごいこだわりが感じられる。そして包装紙にこれでもかとばかりラズベリーの絵が描かれていたものだから、キリル文字は読めないがこれはきっとラズベリー味にちがいないと思って食べてみたら、なんと、ふつうにおいしいミルクチョコレートであった。ベラルーシ手ごわい。ちょっとベラルーシという国について調べてみたくなった。

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◎04.09.2018

  猛烈な台風が西日本に接近中。その余波で、東京も強い風が吹き荒れる。あまり外を移動することはできそうもないので、土曜日のイベントの下準備のため、アアルトコーヒーの庄野さんがおすすめするミステリを抱えて喫茶店へ。人生初の赤川次郎

 不意に思い出し、豊島区立郷土資料館で『江戸園芸資料コレクション』展をみる。現在の巣鴨駒込あたりは、かつて江戸の周縁部にあたる農村地帯であった。そこでは、やがて観賞用の菊、桜草、万年青、それにさまざまな植木がつくられるようになり、江戸の町内に供給する一大生産地となる。

 この展覧会では、当初スペクタクルとして多くの観衆をあつめた観賞用の菊人形や品種改良した菊などにはじまり、やがて個人の楽しみとして「趣味の園芸」化することで珍種、寄種の競い合いやマニュアル本のヒットなど園芸を取り巻く変遷を資料をつうじて辿ってみようという試み。思いのほか楽しめた。風がだいぶ強くなってきたので、早々に帰宅する。

 

◎05.09.2018

 近畿に甚大な被害をもたらした台風21号、さらに震度7という激しい地震により北海道全体を停電に陥れた北海道胆振東部地震。被害に遭われたみなさまには、1日も早く日常の暮らしが戻るよう祈らずにはいられない。

 それにしても、ほかにも大阪府北部地震西日本豪雨など数十年に一度と言われるような災害がわずか3ヶ月ほどのあいだに集中して起こっていることは、まさに非常事態といってよいと思う。オリンピックが直接的な復興支援になるのならともかく、逆に本来なら1日も早い復旧のために必要とされる時間、お金、ひとを奪い取ってしまうものであることを思えば、即時中止するべきではないか。国家の一大事に「体面」とか気にしている場合ではないのである。

 はたして、そんななかまだオリンピックをやりたいとしたら、それはいったい誰がやりたいのか? アスリート? 政治家? 広告代理店? ゼネコン?…… いまやらねばならないのは、そこをハッキリ可視化させることなのではないか。

 

◎06.09.2018

 面倒見のいいことでは定評のあるミツヨさんが、職場でバイトしているという韓国の女の子と一緒にご来店。とても礼儀正しい女の子で感心する。たとえば外国に行ったとき、自分だったらああいう挨拶やちょっとしたひとことをすかさず言えるだろうか。とっさには言えないだろうなあ。

 ちなみに和菓子職人のミツヨさんは、なぜか最近パフェばっかり作らされているそうである。そして、秋の新作「栗といちじくのパフェ」(2,160円也)が超オススメの自信作とのこと。食べたい。これを「自分へのごほうび」にするには、はたしてどれだけのことをすればよいのやら。要検討。

 そのほか、うれしいサプライズもあった1日。

 

◎07.09.2018

 先日、デザインジャーナリストの萩原健太郎さんとのあいだでこんなやりとりがあった。ちなみに、萩原さんは『北欧デザインの巨人たち〜あしあとをたどって』(ビーエヌエヌ新書)、『北欧とコーヒー』(青幻舎)、『ストーリーのある50の名作椅子案内』(スペースシャワーネットワーク)などなど、北欧関連やデザイン関連の本をたくさん書かれているひとである。

 

萩原「こんど、フィンランドの映画とか音楽について岩間さんから話を聞きたいんですけど……」

岩間「取材ということですか? いいですけど、でも、そのへんについては専門家ではないので、こういう人やこういう作品があって、そのこういう部分がとても「フィンランドっぽい」と思うといったようなことしかお話しできませんけど……」

萩原「それでOKです。で、せっかくなんで、こういう話ってたぶん興味があるひとけっこういると思うんで、いっそ公開取材ってことにしませんか?」

岩間「???」

 

ということで、気がつけば9月15日(土)19時より萩原健太郎(きくひと)+岩間洋介(きかれるひと)という謎の「公開インタビュー」イベントをやることになりました。お茶付き1,000円でカジュアルにみんなで楽しむ会です。特に、フィンランドのカルチャー方面に関心のある方にご参加いただけるとうれしいです。参加ご希望の方は、お手数ですがメール(cafemoimoi@ybb.ne.jp)にてお名前、人数、お電話番号をお知らせください。お待ちしております。