moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

22.08.2018-24.08.2018

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◎22.08.2018

 平成最後の夏が、しぶとい。

 今年もまた、エアコンの効いた部屋でゴロゴロしながらわけのわからないアメリカのB級映画テレビ東京の「2時のロードショー」で観るとか、視聴者のみなさんから寄せられた心霊写真特集(集合写真で手や足が写っていないのはそんなに心配は要らない)をワイドショーで観るとか、そういった「夏らしいこと」をなにひとつしないままに終わるのだろうなあ。他に「夏らしいこと」が思い浮かばない。せつない。

 夕方、リハ前のチェロしおりさんご来店。スタジオに差し入れるはずのおやつから、カヌレを1個ぶんどる。セボン。

 

◎23.08.2018

 強いて言えば、「じょんご様」の信者である。

 ご存知のない方のために書いておくと、「じょんご様」とは秋田県男鹿半島一帯に古くから伝わる土着の神さま…… などではなく、ジャズサンバを演奏するブラジル・サンパウロ出身のピアノトリオのことなのだが、なぜか荻窪に店があったころから不思議と彼らのCDをかけるとお客様がやってくるのである。以来、ぼくはジョンゴ・トリオを「じょんご様」と崇め、苦しいときの神頼みならぬ苦しいときのジョンゴ・トリオ頼みでピンチを切り抜けているというわけである。そして、今日も今日とてCDをジョンゴ・トリオに替えたとたん、それまで小一時間ちかく客足が途絶えていたにもかかわらず3組続いてやってきた。

 谷保のウィルカフェの来栖さんより、盛岡みやげのコーヒー豆をいただく。「六月の鹿」という風変わりな名前をもつ珈琲屋さん。どこかなつかしい、正しい喫茶店のコーヒーの味がした。それにしてもなんで「鹿」なんだろう? そしてなんで「六月」なんだろう? きっと、お店の人は日に8回はお客さんから店の名前の由来を訊かれてるんだろうなあ。ぼくの予想では、もしかしてオーナーの名前に関係あるんじゃない? 「鹿内潤」とか。(ちがうな)

 

◎24.08.2018

 信号待ち。強い日差しにジリジリ焼かれながら、さすがのオレも今年ばかりはこの凶暴な夏のおかげで日焼けしたにちがいないと、二の腕の裏っ側にふと目をやる。思わず横断歩道で声が出た。白っ!!!

 むかしはたらいていた会社には、その会社が運営にかかわっているカフェがあったのだが、今年とおなじように殺人的な暑さだったある夏の日のこと、エレベーターでそのカフェのマネージャーと乗り合わせた。「こう毎日暑いとさぞかし売上もいいんでしょうね」というぼくの言葉に、彼は首を振ってこう言うのだった。「ひとは、最高気温が30℃くらいのときアイスコーヒーやアイスティーを飲みたくなるんだよ」。なるほど。「そして、32、33℃になると炭酸系を欲するようになる」。ふむふむ。なんかわかる。じゃあ、体温くらいの暑さだと? 「なにも飲まなくなる」。

 あれは本当だったと、この夏、あの日の会話をくりかえし思い出している。