moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

05.08.2018-06.08.2018

◎05.08.2018

 帰り道、ご近所の飲食店のオーナーさんとちょっと立ち話。「31年商売をやってきて、ここまでお客さんの来ない夏ははじめて」と。駅直結や駅近のお店はともかく、5分以上歩くような飲食店はみなこの夏の炎暑に疲弊しきっている。もしお気に入りのお店があれば頑張って足を運んであげてほしいし、いつか行こうと思っているお店があるならいま行ってあげてほしいと思う。

 先週に続いて、今週も急きょイベントを開催。「あまりに暑すぎるので冷たいものを飲みながら北欧の涼しげな映像を観てただだらだらとするだけの会」。

 このあいだの休日に突然思いつき、告知期間はわずか5日足らずだったにもかかわらず前回同様たくさんご参加いただきありがとうございました。北欧リピーターはもちろん、行ってきたばかりのひと、近々行く予定のあるひと、最近北欧に興味をもったひとなど今回もいい感じの混ざりかた。リクエスト方式の前回とちがい、今回はぼくがぜひ観てもらいたい映像をセレクトしてみたのだけれど楽しんでもらえただろうか。しかし、こういうまったく起承転結のないイベントが許されるのもこの猛暑ゆえという気がするな。

 ところで、東京タワーや東京駅などのライトアップで知られる世界的照明デザイナー石井幹子は、二十代のころ一年ほどフィンランドで暮らした経験をもつ。彼女の師匠で、フィンランドを代表する照明デザイナーのリーサ・ヨハンソン・パッペ女史は、よく彼女にこう言ったそうだ。「トワイライトを大切にしましょう」

 夕暮れ時や夜明け前、人工の電気の光をつけてしまうかわりに、あえてゆっくりとした光の移ろいに身を委ねることでじぶんの内なる「自然」を呼び起そうという話。「薄暮」を愛するという感覚は、フィンランド人を理解するうえでも重要なことのように思われる。

 ヴァイオリニストのペッカ・クーシストが、フィンランドの自宅からフォークミュージックを紹介するこのビデオレターでも薄暮の時間がえらばれている。いい感じに夏からはじまり、最終的には外は真っ暗闇、声もヒソヒソ声になってゆくというフィンランド人らしいユーモアが全開。


Finnish Folk Music - Pekka Kuusisto Home Video - September 2017 (Philharmonia Orchestra)

 

◎06.08.2018

 1週間の疲れと暑さとで、店にたどりついたときには全身がだるくて仕込みもモタモタ、きょう1日もつだろうかと心配なくらいだったのに、店をあけたらなんかいつものペースに戻っていた。しかも、東京の周辺で夕立があったせいか帰るころにはすっかり涼しい風が吹いていてスキップで駅まで行った。いや、しないけど。まあ、それくらいの気分ではあった。その勢いで、つい調子にのり、先日いただいたフィンランドのりんご酒でめずらしく晩酌。そのまま寝落ち。しあわせ。

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