moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

01.08.2018-02.08.2018

◎01.08.2018

    暑い、暑い、暑い、と気がつけば歩きながらずっと念仏のように唱えている自分に気づき、いったん意識を「暑さ」から引き離さなければならないとかんがえたのだった。それには、なにか目にとまったものを一生懸命観察してみるのがよさそうだ。

 最初に視界に飛び込んできたのは、リュックサックを背負った男性の姿であった。男性は、リュックを背負うのでなく片方の肩にかけて歩いていた。肩にリュックをかけた男性の前方には、文字どおりリュックを背負った女性が歩いている。なるほど、おなじリュックの持ち方にしてもいろいろあるものだ。自宅からバス停にむかう15分ほどの炎天下を、そんなことをかんがえながら歩く。

 ビジネスにリュックはNGなのかと思いきや、こうやって見るとビジネスマンもずいぶん使っている。ちいさな発見。けっきょく、男女合わせて50人ほどのリュック愛用者たちを見かけたが、そのうちふつうに背負っているひとが9割弱くらい、残りは肩かけ1、手提げ1、そしてどういうわけか前にだっこして歩いているひとと3人(すべて男性)遭遇した。エッ? 前?

 その後、前にリュックを持つことがあるというひとの声を総合したところ、

・背中が熱く汗をかくから

・大事なものが入っているから

といった理由のほかに、もっとも多かったのは次のような意見だった。

・電車内で邪魔にならないよう抱えていたが背負い直すのが面倒くさいから

・立ち止まって背負い直すのが面倒くさいから

・わざわざ背負い直すほどの移動距離でもなく面倒くさいから

・なんかもう、とにかく面倒くさいから

 こうなると、巷で目にするナゾな行動のほとんどは「面倒くさい」で説明できるような気がしてきた。

f:id:moicafe:20180803142619p:plain

◎02.08.2018

    梅雨が明けてからというもの、それまで毎週のように通っていた図書館に一度も行っていない。図書館までの15分強の道のりを思うと、つい腰が引けてしまうのだ。そんなわけだから、こんな暑い日に汗をかきかき来てくださるお客様の顔だけは絶対に忘れない! それくらいの意気込みで、この夏は営業している。あとは、意気込みが記憶力の衰えに負けないことを祈るのみ。

    それはそうと、ここ数日ずいぶんと差し入れをいただいた。

    まず、振休で平日休みをゲットした元スタッフが、目黒区美術館で「フィンランド陶芸展」を観た帰りプリンを持って立ち寄ってくれた。濃厚な抹茶とほうじ茶のババロアの底にあの「こしあん」が入っている山田屋まんじゅうのプリン。早速おやつタイムに。よい子なので、一応おやつタイムは日に4回までと決めている。来年は5回をめざしたい。増えるのかよ。

    ひとひねりした、ちょっと楽しい差し入れをいつも持ってきてくださる常連のお客様。暑中見舞いにと持ってきてくださったのは、フィンランドのリンゴ酒とハパンレイパという「ちょい呑みセット」!?  薄く伸ばしたハーブ風味のライ麦パンをパリッパリに焼いた「ハパンレイパ」は、レイパ(=パン)というよりもむしろ日本人の味覚にはお煎餅のようなスナック感覚。やめられないとまらない。紀伊国屋のベーカリーが作っているので、見かけたらぜひ買ってみて。

    そしてさらに、べつの常連のお客様からいただいたのは朝摘みのブルーベリー。お菓子づくりのために摘んできたものをおすそ分けいただいた。ふっくら大粒で、しかも水分たっぷりでとても甘い。この猛暑のおかげだという。この夏を耐え忍べば、おれもこんなジューシーなおじさんになれるのだろうか、などと思う。そして、瑞々しいブルーベリーを夢中で口に運んでいると、頭の中、ぼんやりエルサ・ベスコフの絵本の世界が思い浮かぶのだ。