moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

25.07.2018-26.07.2018

25.07.2018

 きょうから2週間、平日のみ20時までの「夏時間」での営業。さっそく足を運んでくださったみなさま、どうもありがとうございました!

 エアコンが普及することでぼくらが失ったのは、あるいは「夏の宵」を楽しむ「粋さ」であるかもしれない。よく戦前の小説とか随筆を読んでいると、夕涼みを楽しむ人たちの姿と出くわす。彼らは日が暮れてから、場合によっては夕食をすませてから、ひとりで、または家族や友人と連れ立って散歩や買い物に繰り出す。場所は、川や池のほとりといった近所の水辺であったり、古本屋や喫茶店であったり、またただあてどなく夜の街を徘徊するだけであったりするのだが、なにか用事や買い物のためというよりも、それはまるで「夜風にあたる」ことこそが目的であるかのようにみえる。

 かつて銀座通りの東側、つまりいま「銀座シックス」があるほうにびっしり建ち並んでいたという「夜店」にしても、こうしたライフスタイルの中から生まれてきたものにちがいない。いずれにせよ、夕涼みがてらの夜歩きは、まだエアコンがなかった時代のくらしの知恵であると同時に、ただ職場と自宅とを往復するだけの都市生活者に「サードプレイス」をもたらすことで日々の生活にリズムと色彩とをあたえることにもつながったのだった。

 会社を出るとき、まだほんのり明るかったりするこの季節、まっすぐ家に帰る前にワンクッション、カフェでお茶でも飲んで粋な夏の宵を過ごしてみてはいかがでしょう。

 

26.07.2018

 朝、ゴミ出しに間に合うか心配でわざわざ一本早いバスに乗ったのに、事故で西武線が止まったあおりを受けて大混雑からの大遅延。道もずっと渋滞気味で、けっきょく店にたどりつくのに1時間半かかった。かろうじてゴミの回収には間に合ったものの、朝からぐったり。それにしても、ドキドキハラハラの原因が「ゴミ出し」というあたり、なんて俺の身の丈にあったスリルなのだろうと笑ってしまう。そういうアキ・カウリスマキ的な世界に生きている。

 さて、きょうは「夏時間」2日目。どんな出会いがあるかと思いきや…… 19時以降だれも、こない。早くも企画だおれの予感。凹む。

 けっきょくラストオーダーの時間になってもだれも来ないので、店を閉め、買い出しにでかける。コピスのカルディに行こうと思ったら、ちょうど上のHMVで脇田もなりさんがインストアライブをやっていた。前作あたりから制作に冗談伯爵(前園直樹+新井俊也)や元コーザ・ノストラの佐々木潤らが関わっていて気になってはいたのだが、生で観るのははじめて。声に伸びがあって気持ち良い。最後に歌ったミドルテンポの曲が特によかった。調べたら「青の夢」という、最新アルバムの最後に収録されている曲とのこと。

 さて、29日に開催の「あまりに暑いので北欧の映像を観ながらただお茶をするだけの会」(←微妙にタイトルがちがう気がするが)は、おかげさまをもちまして定員に達しましたため受付を締め切らせて頂きました。ありがとうございました。参加メンバーからして楽しい時間になりそうです。ご参加いただくみなさま、よろしくお願い致します!