moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

22.07.2018-23.07.2018

 日曜日。女子4人でお化け屋敷に行った話を聞いていた。

 出かけた先にたまたまお化け屋敷をみつけ、ノリで入ってみようということになったのだが1人だけ怖がって「うん」と言わない。しかたがないのでひとまずカフェに入り、お茶をしながら3人がかりで説得したという。3対1である。こうなっては勝ち目はない。必要のない豪華な鍋セットだろうが、幸運を呼ぶ壺だろうが、言われるままに買ってしまうシチュエーションだ。けっきょく説得に応じ、晴れて4人でお化け屋敷に入ったのだった。

 お化け屋敷では、キャーキャー悲鳴をあげたり、なぜかノリノリで先頭に立っていたはずの友人が恐怖のあまり派手にすっ転んでしまったり、またそれを指さしてみんなでゲラゲラ笑ったりと想像以上に楽しかったらしい。そしてこの話を聞いていたぼくも、同じように楽しくなってしまった。他愛がないと言ってしまえばそれまでだが、ふつう無駄と思われることを一生懸命やるのは、ある意味最高の贅沢といえる。ずっと時間がたってから、ふと思い出して笑顔にしてくれるのは案外こういう時間の過ごし方だったりするものだ。すごくいい夏の休日を彼女らは過ごした。

 そういえば、まだ告知していなかったことを不意に思い出した。旭屋出版の雑誌「CAFERES」(旧「カフェ&レストラン」)8月号に先日受けたインタビュー記事が掲載されています。書店等でみかけたらチェックお願いいたします。

 月曜日。シナモンロールをつくるため、ひとりカルダモンの殻をひたすら剥いていた。こういう単調な作業はどうも苦手である。きっとみんなそうなのだろうと思っていたのだが、かならずしもそうじゃないと知ったのは、そのぼくが苦手な作業を「ここの仕事のなかで一、二を争う好きな仕事」だと言うスタッフが以前いたからだ。なんでも、「無心になれる」「(剥いているときの香りに)鎮静効果がある」そうである。「呼んでくれれば剥きにきますよ」。大学を卒業し、ここをやめるときにそう言ってくれていたのも案外本気だったかもしれない。遠慮せずに声をかけておけばよかったな。

 意外だったのは、今回SNSでつぶやいたところ、面倒くさいという意見にまじってちらほら「剥きたい!」とみずから志願する声が聞こえてきたことだった。そうか、この世界にはきっと2種類の人間がいるのだ。カルダモンの殻を剥きたいひとと剥きたくないひとだ。さて、アナタはどっち?

 ここで重要なお知らせです。今週の水曜日より2週間限定で、平日の営業時間が「夏時間」に変わります。後ろに1時間ずれて12時30分から20時(19時30分L.O)までです(週末はこれまで通り)。夕方になると風も出て多少しのぎやすくなる昨今、ぜひお仕事帰りにもお立ち寄りいただければと思います。ご来店お待ちしております。