moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

12.07.2018-13.07.2018

12.07.2018

    どういうわけか、真夏になるときまってマイルス・デイビスの『マイルス・アヘッド』とフェデリコ・モンポウの『内的な印象』が聴きたくなる。真夏といえば、光の強さであると同時に、また影の濃さでもある。思うに、この2枚のアルバムには、そんな光と影の強烈なコントラストが刻み込まれているからじゃないたろうか。

    たとえばモンポウの『内的な印象』の第2番「哀歌」では、貞淑で美しい旋律に暗鬱な低音のオスティナートが影のようにつきまとうのだが、以前この作品を編曲したある音楽家が、ばっさりとこのオスティナートを取り除いてしまっていて、そのため安っぽいムード音楽のようになってしまっていたのにはひどく落胆した。影は光がないところには存在しないが、光もまた影のない場所ではその意味を喪ってしまうものなのだ。

    同世代のひと相手にしゃべっていると、そうそう、あるある、わかるわかるで話が済んでしまうのでとても楽だなと思う反面、このままではバカになってしまうのではないかと軽い恐怖心に襲われる。

    その点、上でもいいし下でもかまわないが、年の差のある相手だとうまく伝えることを考えながらしゃべらないといけないのでアタマを使うことになる。さまざまな年代、背景をもったひととフリートークをする機会に恵まれているこの仕事は、そういう意味でなかなかに手強く、またそこに面白みがある。

 

13.07.2018

    お休みをいただき、早朝から病院。さすがに病院に15時間はキツかった。時間がかかるのは覚悟していたので、堀江敏幸『郊外』、田村泰次郎『わが青春文壇記』、小西康陽のコラム集を抱えていったのだが、まともに腰掛ける場所すらない状況では、せいぜい読めるのも最初の3、4時間といったところ。23時帰宅。