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moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

『マリメッコ展』感想

Bunkamuraザ・ミュージアムで『マリメッコ展 デザイン、ファブリック、ライフスタイル』をみる。 時代の変遷とともに、マリメッコはどう変わり、また変わらなかったのか。そんなところを気に留めながら会場をみてゆく。 創業者であるアルミ・ラティア、そし…

待機と飛翔

あけましておめでとうございます。酉年にちなんで、先日美術館で出会った一枚の「鳥」の絵を。 畑中優「意志*」(2011 板・油彩 15.7×22.6cm)。 これは、仏文学者で音楽や美術にかんする著作も多い粟津則雄がかつて収集し、その後練馬区立美術館に寄贈した…

ランミンヨウル、ひるねこブックス、下町風俗資料館とルナパークの幻影をめぐって

昼過ぎ、谷中のギャラリーTENに到着。毎年、オープン以来お世話になっているフィンランド好きのお客様方が、ここで『Lämmin Joulu〜あたたかいクリスマス』というグループ展を開催されている。 フィンランドをモチーフとしたハンドメイドのバッグやアクセサ…

シャーリイ・ジャクスンが描くうすら寒い世界

シャーリイ・ジャクスンのビターな短編集『くじ』(ハヤカワ・ミステリ文庫)を読む。断っておくとこれ、いわゆるミステリじゃないです。ブラックユーモア+サイコ・スリラー+奇妙な味がブレンドされた物語が22編。 表題作となっている『くじ』は、雑誌「ニ…

おとな視力〜これは「老い」ではない

「おとな視力」について書く。「老眼」とも言う。早いひとは三十代で始まるというのだから、せめて「おとな」くらいにしておく気遣いはできなかったのか、命名者よ。 じつはここ数年、ぼくもすっかり目がアダルトになってしまい苦労している。近いところの焦…

林さんが選曲したバーで聴きたい音楽

ポストをのぞいたら、bar bossaの林さんが選曲した、最近出たばかりのCDが投函されているのをみつけた。おなじく最近出たばかりの林さんの本『バーのマスターは、「おかわり」をすすめない』(DU BOOKS)の〝サントラ〟とのことである。林さん、いつもお気遣…

ひとりの時間をためらわないで

入ろうか、入るのやめようか、店先で思案している姿をよくみかける。はじめての店の敷居をまたぐのにはなかなかな勇気を必要とする。ひとりでは店に入ることができない。あるいは、なにをしていいか判らない、手持ち無沙汰、そんな声もよく耳にする。他人と…

池袋演芸場8月下席昼の部

ここ数ヶ月、私事でバタバタしていたせいでしばらく寄席からも遠ざかっていた。およそ7ヶ月ぶり。迷走する台風10号の進路に気をもみながらの池袋演芸場。ーーー 池袋演芸場 八月下席昼の部 千秋楽 ーーー開口一番 小かじ「二人旅」 ◎三遊亭わん丈「こじらせ…

〝北欧っぽさ〟と竹山実のデンマーク

◆ 渋谷のランドマーク「109」をはじめ、数々のポスト・モダン建築で知られる建築家・竹山実。『そうだ!建築をやろう―修業の旅路で出会った人びと』(彰国社)は、札幌に生まれ学生時代を東京で過ごした彼が、その後アメリカからデンマークへと渡り歩くな…

さくらさくら/もう一度タッチして下さい/あさきゆめみし

◆さくらさくら 人が人を呼ぶ。これは、お店をやっているとよくわかるが、ほんとうである。満席で、どこからどう見てもこれ以上は無理というようなときにかぎってお客様は次々とやってくるものだが、誰もいない店内で「さぁ、どんどん来てください!」とばか…

ぐうの音も出ない/気のきいたことを言う/浮世離れ

◆ぐうの音も出ない ワタリウムでリナ・ボ・バルディのすごくいい展示を楽しみ、さてこれからどうしようと考えたら、ひさしぶりに浅草へ出るというアイデアが閃いた。アンジェラスでコーヒーを飲み、弁天でソバを食うのだ。昼はもうとっくに過ぎているが、ひ…

ひとがそこで上機嫌でいられる場所を…

外苑前のワタリウム美術館で「リナ・ボ・バルディ展」をみてきた。とにかく、ゾクゾクするくらい感激した。 リナ・ボ・バルディは、1914年イタリアのローマに生まれた〝ブラジルの〟建築家。大学で建築を学んだが、卒業後はジオ・ポンティのもとでデザイン関…

通なひと/価値を見いだすひと/選ぶひと/夢をみるひと/世界を股にかけるひと

◆通なひと 掲載されていないにもかかわらず、店内でちらほら雑誌「Hanako」の吉祥寺特集を手にしたお客様をみかけるようになり、そのたび、たぶん自分だったらまず掲載されているお店に行くよなァとちょっと不思議な気分になる。(掲載店はどこもみな混雑で…

私立探偵は「いつもの」と注文することで自身の選択の自由を担保する

◆ついに、いきつけの肉屋でひとことも発することなく品物が出てくるまでになってしまった。「楽でいいか」と思う反面、「いつもの」くらいは言わせてくれ、そんな気もしないではない。「いつもの」とはつまり、たくさんの「いつものじゃないヤツ」の中から選…

椿事

◆鉛色の空に冷たい北風。そんな塩梅なので、当然のごとくお客様の少ない1日でした。それにしたって、オーダーの入ったドリンクがすべて「あたたかいコーヒー」、コーヒー100%というのは13年超の営業で初めてのこと。もっとお客様の少ないときもあったとい…

デジタルゾンビ

パンケーキを焼いていて、写真をInstagramにあげようと色々いじっていたら見事に焦がした。 歩きスマホで地下道を歩いていて、出口だと思って右折したところ出口ではなくその先の女子トイレに入ってしまった。 大人げない。これでは、スマホに乗っ取られたデ…

【前面展望】

きょうは、巷で話題のいま最高にクールな動画を紹介するぜ!(アメリカの健康器具のCM風)。それは、 前面展望 です!!! いきなり「前面展望」と言われても、おそらくたいがいのひとはピンとこないでしょう。かく言うぼくも、数週間前まではそうでした。 …

2月14日は「友達の日」です

きょう2月14日は「ヴァレンタインデー」ですね。 この日不二家のハートチョコレートを貰えるか否かが、昭和の小中学生男子には人生を左右するほどの一大事でありました。そう、「不二家ハートチョコレート」は当時の少年にとってはゴディバの数百倍も価値の…

原田マハ『ジヴェルニーの食卓』

歴史に名を残す画家たちの〝最後の日々〟を、身近で接した女性たちの眼をとおして描き読後に静かな余韻を残す短編集。 登場するのはマティス、ドガ、セザンヌ、そしてモネの4人。たとえば、マティスをとりあげた『うつくしい墓』は、老いてなお枯れることを…

【寄席おぼえがき】2/9鈴本演芸場2月上席夜の部

菊志ん師匠には寄席が似合う。 浅めの出番で高座に上がり、それまで重たかった客席の空気をガラッと変えて下がってゆく、そんな場面に幾度か出くわした。〝仕事人〟という呼び名がぴったりの噺家。 じつはなにをかくそう、師匠がトリを務める日に寄席を訪ね…