moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

favorites

開店前のパン屋のパンが

朝、パン屋の前を通る。パン屋はまだ閉まっている。その開店前のパン屋から、いままさにパンを焼いているなんともいえずいい匂いが漂ってくる。パンが食べたい、パンが食べたい、いますぐパンが食べたい……。かつて、フランスのさる高貴な婦人はこう言ったそ…

カワイイ

カワイイ(「cawaii」)というタイトルのティーン向けのファッション誌、昔なかったっけ? それはそうと、先日来店したたぶん4歳くらいの女の子が、店に置いてあるノルウェーの絵本『キュッパのおんがくかい』を眺めながらしきりに「見た目はカワイイけど、…

分別

厳格な清掃員がやってきて言う。「ゴマと梅干しの種、ちゃんと分別してくださいね」ーーー 夢。

いいのか? 本当にいいのか?

小学生のまだ低学年くらいだった頃、親に連れられて入ったソバ屋でテレビを観ていたとき、いまアメリカで話題のバンドみたいな内容でロックバンドの「キッス」が紹介されていて、その白塗りメイクのおどろおどろしさに衝撃をうけソバを口から半分出したまま…

ディズニーのシリー・シンフォニー

Silly Symphony Flowers And Trees 荒れ模様の朝。窓から眺めると、みどり色のグローブのように枝の先に葉をつけた木々がわっさわさと揺れていて、まるクネクネと踊っているようにみえるーー ああ、あれだ、「シリー・シンフォニー」というディズニーの初期…

誰でも知っていると思うなよ

駅でホームの階段を駆け下りようとしてギョッとした。巨大な彌生ちゃんと目があったからだ。正体は、正面に貼られた開催中の展覧会の巨大ポスター。ここで大事なのは、ぼくが<草間彌生を知っている>にもかかわらず驚いたことである。たとえば幼児とか外国…

野の羊

このあいだの雨の日、フィンランドで研鑽を積んだ声楽家駒ヶ嶺ゆかりさんのミニコンサートを聴いてきた。「野の羊」という曲がよかった。大木惇夫の詩だ。男がひとり草原にやって来てつぶやく。「野っぱらはいいな。いつ来てみてもいいな。」気づけば、遠く…

円波

恩地孝四郎の「円波」。中国で出会った、池の桟橋で洗濯をする少女の姿を木版画にしている。戦後は丸や四角を思いきって配したような抽象的な作風に変化してゆくが、これが制作された昭和14(1939)年はちょうどその過渡期にあたる。乱暴に、画面下から上へ…

みかけによらない

つい最近になって知ったことのひとつに、ソメイヨシノはバラ科というのがある。お前いつからバラだったの? ちょっぴり裏切られた気分で、桜の樹の前で立ち止まり思わずつぶやいた。思えば、トマトだってあんな顔してて実はナス科だったりする。もしも14歳だ…

サルミアッキ愛

フィンランドにコスケンコルヴァというウォッカがある。左が先日お客様からいただいたラクリッツ味、右がスタッフからもらったサルミアッキ味。ラクリッツというのは甘草(カンゾウ)というハーブのエキスからつくるドロップあるいはグミのお菓子で、それに…

helsinkitypo

helsinkitypo その名の通り、ヘルシンキの街で採集されたタイポグラフィーの数々を陳列したブログ。写真家のイルッカ・カルッカイネンがライカで撮影した写真はどれもうつくしく、ヘルシンキを散策しているような高揚した気分になることができる。