moiのブログ 日々のカフェ season3

東京・吉祥寺の北欧カフェ「moi」の店主によるブログです。基本情報は【about】をご覧ください。

当店について

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◆モイ  cafe moi  

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営業時間・場所

◆東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3グリーニイ吉祥寺1F  【 Google マップ

 JR・京王「吉祥寺駅」より徒歩7分

◆平 日  11時30分〜19時(18時30分L.O.)

 土日祝  12時        〜19時(18時30分L.O.)

◆火曜定休

  

 

サービス

◆ランチタイムサービス 毎日 開店時間〜14時

フィンランドシナモンロールのテイクアウト 毎週木・土曜日

◆お誕生月サービス

お誕生日の月にあたるお客様は、当該月中なんどでもカフェでのご飲食代が10%OFFになります(ご本人様に限る)。会計時に、お誕生日のわかるものをご提示ください。

 

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すべてのカフェは「おじさん」である

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 店をはじめてかれこれ16年になる。16年にもなるのに、いまだにすっきり答えることのできない質問がある。

 

カフェとはなにか?

 

 あるアメリカの社会学者は、それを「サード・プレイス」、つまり家庭でも職場でもない第3の「居場所」と言った。なるほど。ただ、それはかならずしもカフェにかぎった話ではなく、ひとによっては公園であったりバーであったり、あるいは映画館であったりもするだろう。

 日常からの避難所(シェルター)、逃避所(アジール)といった言われ方もする。だいたいにおいて同意だが、これらの単語はあまりにも「せっぱつまった感じ」が前面に出すぎてはいないか。

 

 それが、つい先日のことだったが、一冊の本を読んでいてこれだ! という表現に出くわしたのである。俳優にして映画監督、美食家にしてエッセイスト、伊丹十三の「ぼくのおじさん」という文章がそれだ(伊丹十三 単行本未収録エッセイ集『ぼくの伯父さん』つるとはな所収)。

 

 伊丹は、近くて遠い、遠くて近い、そんな「おじさん」という存在の絶妙な立ち位置に目をつける。

 ひとりの少年がいるとする。あたりまえすぎてふだんは気づかずに過ごしているが、ときどき親の押しつけてくる価値観や物の考え方にどうにも息苦しいような、うっとうしいような、そんな気分に見舞われる。「おじさん」はそんなところに、ある日ふらっとやってきて、たとえば、親だったら「男なら泣くな」と言うところを「人間誰だって悲しい時には泣くんだ。かなしけりゃ泣いてもいいんだよ」みたいな、親のディスクールと違ったディスクールで「親の価値観に風穴をあけてくれ」たり、あるいは「カーブの投げ方を教えてくれたり、コーヒーなんか飲ましてくれたりもする」。ふだんからべったりくっついているわけではないけれど、いつも心のどこか片隅にその存在はあって、いざというときには黙って肩を抱き寄せてくれる。そんな、その人がいてくれるというだけで、なんとなくホッとし、またなんか気が楽になるような「なんだか嬉しい存在」、それが「おじさん」である。

  また、「おじさんは遊び人で、やや無責任な感じだけど、本を沢山読んでいて、若い僕の心をわかろうとしてくれ、僕と親が喧嘩したら必ず僕の側に立ってくれるだろうような、そういう存在」であり、「おじさんと話したあとは、なんだか世界が違ったふうに見えるようになっちゃった」りもするという。いやいや、なんというか、これはもう完全に日々の「カフェ」の立ち位置じゃないか。「おじさん」同様、「カフェ」もつねにみっちりくっついているような関係ではないけれど、寂しいときに会いにいけば甘やかしてくれ、うれしいことがあれば思わず報告にいく、そんな絶妙な距離感できょうもこの世界のどこか片隅にひっそり存在している。そして、ある日不意にこの世からいなくなってしまったら、なんでもっと会いにいかなかったのだろうと猛烈に後悔するのである。

 

 世界の真ん中に家族のディスクールや仕事のディスクールがあるならば、そうしたディスクールとはまったくべつの場所にべつの種類の、むしろそうした「しがらみ」をペロッと剥がしてしまうような、いってみれば「関節はずし」のような「カフェのディスクール」だってあっていい。そしてじっさい、そういう仕方で「カフェ」は、ある。

 カフェとはなにか? と問われたら、だからこんどからはこう答えよう。すべてのカフェは「おじさん」である、と。

イベント『切手で旅するフィンランド』開催のご案内

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ポストカードショップとカフェとを兼ね備えたここ「moi」ならではの人気企画、ひさしぶりの開催です。

 

フィンランドは、じつは知る人ぞ知る「切手天国」。

 

美しい切手、かわいい切手、楽しい切手、ちょっと風変わりな切手などなど、色とりどりのさまざまなデザインの切手が毎年発行されています。そして、そうした切手たちは、北欧フィンランドの歴史や自然、ひと、文化をよく理解するための優秀な「道先案内人」でもあるのです。

 

そこで、切手収集家であると同時に、フィンランド語の講師や翻訳も手がける上山美保子さんをお迎えして、貴重なコレクションを手がかかりにもっとフィンランドを知り、もっとフィンランドを身近に感じましょうというのがこのイベント「切手で旅するフィンランド」。

 

春の日曜日の宵のひととき、ご一緒に楽しく過ごしませんか? お申し込みは以下の通りです。みなさまのご参加、心よりお待ちしております。

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切手で旅するフィンランド

 

日  時 2018年3月11日(日) 18時30分(18時10分開場) 20時終演予定

会  場 moi 吉祥寺駅より徒歩7分

     武蔵野市吉祥寺本町2丁目28番3号グリーニイ吉祥寺1F 

おはなし 上山美保子(フィンランド語講師、翻訳)

参  加  費 2,500円(ドリンク、焼き菓子、ささやかなプレゼントつき)

     当日現金にてお支払いお願いします。

 

3/8 9:00 お申し込みが定員に達しましたため、受付は終了させていただきました。

 

以上、どうぞよろしくお願い致します。。

 

豆柴

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 そのお客様は、趣味のため休日ごとに旅に出ている。日本全国津々浦々、いや、ときには海外への遠征もある。それはそれで充実した毎日だが、ときどき、こんな生活を長く続けていてよいものか不安な気分に見舞われるという。じっさい、貯金も目に見えて減った。

 そこでそのお客様はかんがえた。そうだ、犬を飼おう。犬を飼ってしまえばそうそう長旅などできなくなる。結果、支出も抑えられるというわけだ。いわば「実力行使」である。

 どうせ飼うなら、そう、なにはともあれ「豆柴」だ。小型犬ならマンションずまいでもなんとかなるし、それになんといっても豆柴は愛くるしい。そうと決まれば、ペットショップに行かねばならない。じぶんの暮らしを立て直してくれるよきパートナーたる豆柴をみつけるのだ。

 ペットショップで、そのお客様の目に飛び込んできたのはまだ生後2、3ヶ月ほどの黒い豆柴の姿だった。黒いというのもちょっと珍しいし、聞くところでは黒い豆柴の性格は「甘えん坊」らしい。四六時中、こんなつぶらな瞳でじゃれつかれるのだ。旅行なんぞ行ってられるか。1人と1匹ではじまる新しい暮らし。そんなマンションの広告みたいなポエムが頭の中に浮かんだかどうかは知らないが、ふと気づけば、「この子しかいない」、そんな気分にさえなっていた。

 だが、無邪気な様子で遊ぶその豆柴のケージに掲げられた値札の数字を目にしたとたん、そのお客様は一気に現実に引き戻されてしまった。二度、三度と見直したので間違ってはいないと言うその豆柴のお値段は、「700,000円」だった。

 ところで話は変わるが、スタッフが実家で飼っているという「豆柴」は体重が12キロほどもあるらしい。ふつうは4キロから6キロくらいだというからかなり、というかハッキリ大きい。ブリーダーから豆柴と言われて買ったのだが、すくすく育って気づけばそんな大きさになっていたという。スタッフいわく、「大きな豆柴」。まるで意味がわからない。

 「それって返品できないの?」思わず訊きそうになったのだが、じつはたんにぼくが知らなかっただけで、じっさいには品種改良の末に小型化に成功した「豆柴」という犬種が存在するわけではなく、小柄な親同士をかけあわせることで意図的に小柄に生まれさせた柴犬を「豆柴」と呼んでいるだけなのだそうである。なので、この世界には、スタッフの実家の「豆柴」のような思いがけず成長してしまった「大きな豆柴」や、あるいは予想に反して小柄だった「小さなデカ柴」らがそこかしこにはいるのかもしれない。まあ、実際の話、家族の一員として愛情をもって接しているうち、もはや大柄だろうが小柄だろうがどうでもよい気分になってくるのではないか。

 さて、豆柴を飼うという野望をあっさり断念した例のお客様、その後どうなったのだろうと気になって尋ねてみた。

 「2月の終わりからアメリカに行ってきます!」なにかこう、憑き物がとれたような、晴れやかな笑顔だった。

moi納め2017

今年もまた、恒例『moi納め』の時期となりました。以下スケジュールとなりますので、コーヒーのあるひとときで気持ちよく2017年を納めましょう。

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12月26日火 定休日

12月27日水 11時30分〜19時

12月28日木 11時30分〜19時

12月29日金 11時30分〜19時

12月30日土 11時30分〜17時30分

12月31日日 11時30分〜17時30分

31日は、ドリンクとスイーツのみの提供となります。ラストオーダーは閉店の30分前です。なお、年内の「フィンランドごはん」の提供は終了いたしました。

 

年始は1月5日より営業致します。

八王子で佐伯祐三の青空とコッペパンに出会う。

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なんとなく風邪気味で熱っぽくもあり迷いはしたのだけれど、朝、体温を測ったら35°Cだったので八王子まで行ってきた。はじめての八王子。古くから栄えた土地だけに、街のあちらこちらには商家や近代建築がまだ残っていて東京の真ん中とはひと味ちがう風情がある。

 

わざわざ八王子まで出向いた理由はというと、八王子の駅から歩いて12、3分の場所にある八王子市夢美術館で開催中の展覧会『昭和の洋画を切り拓いた若き情熱・1930年協會から獨立へ』がどうしても観たかったからである。こういう<地味なことこの上ない>企画は一期一会、観られるときに観ておかないと後々悔しい思いをすることになる。ところで、「八王子市夢美術館」をカタカナに直すと「エイトプリンスドリームミュージアム」となってサンリオっぽくなるね、どうでもいいけど。

 

展覧会は、わざわざ来た甲斐があったという<地味いい>内容で満足。くわしいことはここでは触れないけれど、「1930年協會」はもともと佐伯祐三、木下孝則、小島善太郎、里見勝蔵、それに前田寛治という五人の若い画家が自分たちの作品の発表の場として1926(大正5)年5月に結成した芸術団体であった。とくに決まった主義主張はなく、ただ1920年代の前半、いわゆる〝狂騒の20年代〟を芸術の都パリで修業したという一点でのみつながっている友愛的なグループだったという。その後、「獨立」へとつながるさまざまなドラマがあるのだが、面倒なので割愛する。ただ、名前に掲げた「1930年」に開催された第5回展をもって活動にピリオドが打たれたのは、偶然とはいえまるではじめから終幕を知っていたかのようなふしぎな気分を催させる。

 

さて、チラシ(画像↑)を手にとってみる。メインビジュアルに採用された作品はというと、佐伯祐三リュクサンブール公園」1927(昭和2)年。たしかに<地味いい>企画にはまさに似つかわしいとはいえ、アイキャッチ的な華やかさという点ではどうにもたよりない作品である。ところが、さすがというか、実物をこの目でみるとやはりとてもすばらしくいい絵なのだった。

 

まずひとつは、画面の構成がきっぱり無駄がなく気持ちのいいところ。絵の勉強をしたわけではないのでよくわからないが、要はこういうこと(↓)なのではないか。白線で強調したように、画面下に三角形があり、その頂点からタテに伸びてた線が画面を中央で左右に2分割している。舗道を散策する人びともまた、道の真ん中ではなく三角形のそれぞれの辺の上に置かれているため、こちらの目線は自然とそれぞれの線が交わる一点に収斂する。ただの風景画のようでいて、整然として理知的な印象をあたえるのはまったくこの周到な画面構成あってこそだろう。パリの公園に、まるで神社の参道のような静かで清らかな空気が漂う。

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そしてもうひとつ。佐伯祐三のパリといえば、ぼくの印象はとにかく<どんより曇った空>であった。そして、そのためいつもどこか暗く冷たい感じがある。ちなみに、ぼくはほぼ毎日夢を見るのだけれど、どういうわけか夢に登場する世界はいつもきまって佐伯の描くパリのように曇っている。我ながら、病んでいるなァ。

ところが、である。この「リュクサンブール公園」のパリはめずらしく青空が顔をのぞかせているのである。全体の印象はいつもの<佐伯風>なので、「わぁ、青空だァ」と驚いてしまった。とはいえ、そこは佐伯のこと全開の青空というわけにはいかない。それは、薄曇りの隙間に透けてみえる青空であり、さらにご丁寧にも黒々とした梢の切れ間に恥ずかしげに顔をのぞかせた青空である。ふだんあまり気持ちをおもてに出さないひとが、なにかの拍子にふともらした微笑みのようで、ぼくはきょうこの一枚の絵を観れたことでなんだかとてもうれしくなってしまったのだった。

 

帰り道、駅の近くになつかしいたたずまいのパン屋をみつけた。純喫茶もいいが、こういうレトロなパン屋を街の片隅にみつけるとついうれしくなって入ってしまう。「布屋パン店」というその店は、なんと大正11(1922)年ごろの創業だという。それはまさに、佐伯祐三ら1930年協會の面々がパリの空の下、若い情熱をカンバスにぶつけていたころである。そんな偶然もまたうれしく、バターとジャムを塗ったフカフカで素朴なコッペパンをおみやげに買う。

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10/19関本竜太トークイベント開催のお知らせ

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建築家・関本竜太さんのトークイベントを開催します。

 

関本さんは、建築家のアトリエ勤務を経て2000年よりフィンランドヘルシンキ工科大学(現「アールト大学」)に留学、帰国後の2002年「リオタデザイン」を設立、現在に至るまで住宅を中心に数々の作品を発表しています。おそらくご存知の方も少なくないと思いますが、「moi」も荻窪(2002年〜2007年)、そして現在の吉祥寺(2007年〜)ともに関本さんに内装デザインをお願いしております。

 

過去にも何回か関本竜太さんおトークイベントを開催、ご好評を得てきましたが、今回は雑誌『建築知識』の連載をまとめた新著『上質に暮らすおもてなし住宅のつくり方』(エクスナレッジ、2,200円+税)の発刊を記念して、快適な暮らしのため空間の隅々にに配された設計者による細やかな気配り=おもてなしの実例を紹介しつつ、いかにして心地よい空間をプロデュースするか、その極意(?)を惜しげも無く披露していただきます。もちろん、北欧フィンランドでのエピソードや「moi」の話もまじえて素人にもわかりやすく、カジュアルいお話しいただく予定です。

 

家を建てたいひとはもちろん、改築や部屋の模様替え、北欧のインテリアに関心のある方にとっても聞き応えのある内容になると思いますので、ぜひふるってご参加下さい。

 

なお、当日は会場にて『上質に暮らす おもてなし住宅のつくり方』の販売を行います。ご希望の方には関本さんにサインもしていただけますので、ぜひお求めいただけますようお願いいたします。

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関本竜太トークイベント「おもてなし住宅のつくり方」

◎日時/2017年10月19日(木) 19時15分開演(18時45分開場) 終演20時30分(予定)

◎会場/moi(カフェモイ) 吉祥寺駅より徒歩7分

◎出演/関本竜太(建築家・「リオタデザイン」所長)

◎参加費/1,000円 当日精算・おつりの出ないようご用意下さい

 

*物販は、開場時間よりスタートいたします。中身をチェックしてからのご購入を希望の方はどうぞお早めにご来場ください。

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お申し込み方法

お名前、人数、お電話番号を明記の上、メールにてお申し込み下さい。件名は「トークイベント参加希望」として下さい。宛先は以下、

 

cafemoimoi★ybb.ne.jp ★の部分は、送信時に@に変えてください

 

また、来店時に直接お声かけいただいても受付させていただきます。

 

みなさまのご参加お待ちしております。